園長からのごあいさつ

長い人生の中での乳幼児期は、ほんの短い期間といえます。しかし人格の基礎が乳幼児期につくられることは多くの研究によって明らかになっており、乳幼児期はその人の一生を大きく左右する特別な時代です。

一方、母親の庇護から離れ、初めて集団生活(保育園・幼稚園生活)を始めるということは、子どもにとって大変な勇気とエネルギーを必要とする、生まれて初めての大きな試練といえます。この間に子どもたちは多種多様な体験をし、それを成長の糧にするわけですから、幼稚園・保育園では乳幼児期に必要な様々な人やものとのかかわりが体験できるよう教育・保育環境を整える必要があります。二俣川幼稚園では、佐々木正美先生の理論に基づき、次のような点を心がけて、毎日の教育・保育にあたっています。

  1. 乳幼児期に必須な発達課題を最優先の目標にする
  2. 調和のとれた発達を促すために、様々な人やものとのかかわりを通した広い分野にわたる多様な体験を用意する
  3. 一人ひとりの特性と発達に即したかかわりと指導
  4. あそびを通しての指導

現代の社会では、家庭環境や社会環境が急速に変化しており、家庭や社会が持っていた「子どもを育てる力」がどんどん弱くなり、人間にとって一番大切な「人とかかわる力」が育ちにくくなっています。その結果多くの人が年齢に応じた成長を手にすることができず、不登校・いじめ・引きこもりなどいろいろな形で悩み苦しんでいます。

二俣川幼稚園では、園生活を通して「人とかかわる力」を一人ひとりの発達の状況に応じて育てることを最優先に考えています。幼児期から児童期前半までの子どもの特徴として、生き生きとした、疲れを知らない、失敗を恐れない、何にでも興味を示す、夢中になって友達と遊ぶなどが挙げられます。これらの特徴をしっかり身に付けた子どもは小学校時代に用意されている次の発達課題に取り組む準備が整うことになります。園では遊びを中心とした園生活の中で、生きる力の基礎を育てるために欠かすことのできない幼児期の発達課題とそのための多様な体験を、それと共に人生を豊かにする体験とを調和のとれた形で用意しています。

緑に囲まれた二俣川幼稚園には、若くて明るい愛情豊かな先生を中心に多くのスタッフが揃っています。そして、子どもたちが子どもらしく順調に成長することを目標に、熱心に保育に取り組んでいます。

一人ひとりの個性を大切に、年齢・成長の度合いを考慮に入れての保育を通して子どもたちは思い切り自分を表現し、周りから充分に愛されているという自覚をもちます。その結果、多くの子どもたちが自信をもって生き生きと幼稚園生活を楽しみ、年齢にふさわしい自律・自立心を手に成長していきます。

時には、子どもや母親にとって幼稚園や友だちについての心配や悩みが生ずることもあります。その時は、担任はもちろん副園長・園長を始めとする多くのスタッフが、ご家庭と相談を密にして解決に全力を尽くします。

本園は昭和28年10月に創立、平成27年度より幼保連携型認定こども園となりました。幸いにも地域の皆様を始め、多くの専門家から幼児教育機関として、高い評価を得ています。そのことを園長として大変誇りに思っています。

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